医薬品系れとろ看板(富山編)


くすりはとやま「広貫堂」 撮影地:秋田県(展示品)
くすりはトヤマ「廣貫堂」 撮影地:大分県(展示品) 広貫堂さんのページへ
富山藩で売薬を統括していた「反魂丹役所」が廃藩置県により廃止された後、明治9(1876)年に配置薬業者の共同出資により「富山廣貫堂」が設立されました。
くすりはとやま「廣貫堂」(横型4枚組) 撮影地:石川県
胃腸薬「ヒーロー」強肝薬クルクロン末配合 撮影地:山形県(左4点)、岡山県(右3点)
ラジオ・テレビでおなじみの「オロナイン軟膏」 広貫堂の薬箱にはオロナインも入っていたのですね。
新しい型のビタミンB1剤「アリナファイト」つかれ・神経痛・夜尿症・・・ 現在も発売されているブランドです。
肝臓・胃腸 強肝「熊膽」 現行商品は「熊膽圓」(ゆうたんえん)となっています。
肝臓病と胃腸病に 強肝「熊膽」 他にツムラさんからも広貫堂複方「熊膽丸」が発売されています。
かぜに・・ 強力ネオ「眞治」 「ネオ眞治」も現行のブランド。総合感冒薬です。
心臓に・・・ 廣貫堂「六神丸」 広貫堂創業当初からのベストセラー商品です。

づつうに「ノーエチ」 撮影地:大阪府
新綜合かぜ薬「ポジョン」 撮影地:和歌山県
五疳・かぜとせき「小児六神丸」 撮影地:大阪府 廣昌堂さんのページへ ノーエチ薬品さんのページへ
廣昌堂さんの創業は明治39(1906)年、配置薬の販売業としてでした。後に販売は他の業者に任せ、自らは医薬品製造業に進み、大正12(1923)年「富山廣昌堂」を創設しました。主な銘柄は頭痛薬の「ノーエチ」や胃腸薬の「さくらひろ」でした。
昭和15(1940)年には、創業者の親族が大阪に販売会社「ノーエチ薬品」を設立。近畿を中心に西日本各地に販路を広げました。その関係でカネサン印・廣昌堂の薬看板は関西に多く残っているという特徴があります。


虫さされ・かゆみ「ムヒ」(横型2枚組) 撮影地:秋田県(展示品) 池田模範堂さんのページへ
虫さされ・かゆみ「ムヒ」(横型3枚組) 撮影地:山形県 「虫さされ・かゆみ」の部分の色が反転しています。
虫さされ・かゆみ止「ムヒ」 撮影地:滋賀県
(別バージョン) 撮影地:大阪府 手作りならではのわずかな字体の違いがマニア心をくすぐります。
肩こり「ムヒホン」ムヒ本舗 撮影地:秋田県(展示品)
頭痛「ノーヂ」ムヒ本舗 撮影地:青森県
富山県上市町の池田模範堂さんの製品です。明治42(1909)年創業。大正15(1926)年に「ムヒ」の製造を開始。
感冒「ユイツ」ムヒ本舗 撮影地:青森県
感冒「ユイツ」仙武丹 撮影地:山形県(展示品)
「ユイツ」は池田模範堂さんの風邪薬です。右の看板の下に書かれている「仙武丹」は山形県尾花沢市の配置薬業者・仙武丹さんを示していると思います。その社名は池田模範堂さんがかつて出していた仙武丹(資料:江戸東京博物館)という薬にちなんでいるのではないかと推測しています。置き薬の世界はとてもややこしいのです。

づつう・はいた「ノージン」「ノージ」 風邪に「高トン」クスリはタカタ 提供:亜寶麿裕寶さん
東亜製薬さんの「ノージン」ですが「ノーシン」と名称が酷似している為、訴訟問題が起き「ノージ」に商標変更したという看板です。「高トン」は同社の風邪薬のブランド。こちらも上市町のメーカーさんですが、中国資本による買収を経て、現在は北日本製薬と改称しています。 北日本製薬さんのページへ
肩のこり・腰のいたみ・かゆいひふ病・毒虫さゝれに「ワーム」ワーム本舗 撮影地:秋田県(展示品)
肩のこり・かゆみ「クリームワーム」 撮影地:富山県 ・しもやけ・ひげそり后「クリームワーム」 撮影地:秋田県(展示品)
かぜに「えがほ」ワーム本舗 撮影地:愛知県(展示品) 池田薬品工業さんのページへ
毒虫さゝれ・かゆみ止に「ワット」ワット本舗 撮影地:滋賀県
づつう・はいたに「新鋭ノーハチン」ワット本舗 撮影地:島根県
せきに「のめば」ワット本舗 撮影地:島根県
高級かぜねつ「やつぱり」ワット本舗 撮影地:愛知県(展示品)

皮膚病・虫さされ・初期炎症「ソユ」 撮影地:兵庫県
「ソユ」は上市町の池田義恵商店さんの製品です。上市町の薬屋さんはみんな池田さんなんですね。

交通安全第一「くすりはハト印」人は右・車は左 撮影地:北海道 富山市西公文名町の内山薬品商会さんの製品。

虫さされ・肩のこり・あれどめ「スキン」酒井大岩堂 撮影地:山梨県
づつう・脳神経薬「はればれ」酒井大岩堂 撮影地:山梨県
火の用心 づつう・脳神経に「はればれ」 撮影地:愛知県(展示品)
酒井大岩堂さんは上市町にあった置き薬の会社のようです。

頭痛に「ノーカイ」佐々木博盛堂 撮影地:青森県
感冒に「ピラチン」佐々木博盛堂 撮影地:青森県
佐々木博盛堂さんも上市町の会社のようです。遠く青森県むつ市にも支店がある模様です。

こりと痛みに「オリオンパス」明治製薬 撮影地:北海道 滑川市の明治製薬さんの製品ではないでしょうか。 明治製薬さんのページへ

かぜ・せき・づつう「コキン」スリーカプセル 日本ビタミン化学 撮影地:富山県
富山市黒瀬のメーカー。現行の風邪薬はなぜか「コッキン」になっています。 日本ビタミン化学さんのページへ

こりと痛みに「サリチル膏」 撮影地:青森県 痛みが「去り散る」のです。
かぜに「ピラニン」 撮影地:青森県(展示品) どちらも高岡市にあった共栄製薬さんの製品でした。共栄製薬さんは現在、製造部門がパナケイア製薬さんへ、販売部門が広貫堂さんの販売会社・薬都広貫堂さんに統合され、名前が無くなっている模様です。

づつう・はいた「ケロリット」 撮影地:青森県 高岡市三女子に本社を置く大同製薬さんの鎮痛薬です。平成27(2015)年、倒産してしまいました。

かぜに「コルチンMK」水野製薬 撮影地:秋田県(展示品) 滑川市の水野救命大黒堂さんが販売している風邪薬です。「MK」というのは「水野救命」の略か?

かぜに「風一」 撮影地:山形県(展示品) 富山めぐみ薬品さんのページへ
ケロリンの内外薬品さん(富山市)が出していた風邪薬だと思われます。現在、内外薬品さんの事業は富山めぐみ薬品さんに引き継がれています。

十二指腸虫の駆除に・・・「オーミン」 撮影地:青森県(展示品) 富士フイルム富山化学さんのページへ
富山化学さんは昭和5(1930)年創業。看板に描かれている「つくし印」は昭和16(1941)年に使い始めました。「オーミン」は昭和28(1953)年発売。現在は富士フイルムグループの一員として、インフルエンザの新薬など医療用の分野で実績を上げています。

貧血・冷症に「ミセス錠」第一薬品 撮影地:富山県
ビタミンA入り「第一目薬」第一薬品 撮影地:富山県
ビタミンA・コンドロイチン配合「第一目薬」第一薬品 撮影地:富山県
緑の綜合胃腸薬「ミロンM」第一薬品 撮影地:富山県
富山市の第一薬品さんの製品でした。同社は平成22(2010)年、テイカ製薬さんと合併。胃腸薬の「ミロン」は現行商品です。
高血圧・便秘・解毒に「タンチオン」 撮影地:富山県 テイカ製薬さんのページへ
富山市のテイカ製薬さんの製品。「テイカ目薬」や「テイビタン」も同社の製品です。

「医薬品系れとろ看板(全国編)」もご覧ください。


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